次の担い手が着実に育つ
効果的なOff-JTとOJTをうまく組み合わせて、新入社員として受け入れた時から我慢強く育成していくことが重要です。
若い社員が、若手らしく明るく挑戦的な行動をとることは、組織全体を元気にしていく上で、最も効果的なサプリメントです。
昭和時代の師弟関係のようなものは、既に通用せず、「先輩の背中を見て育て」などと言う幻想は捨てざるを得ません。若手の育成というものは、企業規模とは無関係に、経営上の最重要課題なのです。
貴方の会社や職場を思い浮かべてチェックしてみてください。
どこの会社も満点の会社はありませんが、企業は生き物です。現在のベテランは、徐々に劇的な変化対応に苦慮するようになりますし、そもそも、やがては居なくなることも事実ですから、将来を背負う、若手や中堅どころに力のある従業員が必要不可欠です。
もし、下の複数が当てはまるようであれば、「組織のけん引役が次々に出現し、次の担い手がプールされている」という状況にない可能性が高くなりますので、今の内に良く考えなければなりません。将来のために、ベテラン勢ではなく、若手への集中投資が最優先されるのは言うまでもありません。
- 自分から、「こうしましょう!」という提案型の発言は少なく、指示待ちの若手が多いように感じる。
- 口では、失敗を恐れず挑戦したいと言うが、実際には、何をやるにも職制の承認を欲しがり、自分では何も決められない若手が多いと感じる。
- 若者らしい元気や勇気がない。挨拶や意思表示なども声が小さく不明瞭な人が多くなっていると感じる。
- 課長,係長(グループリーダーやチームリーダー)以前に、ラインを任せられる若手が存在しない職場が多く、いわゆる次期マネジャ候補となる中堅が出てこない。
- 自らに創造的思考や、合理的な提案力がないことを棚に上げて、「やりたいことが出来ない」とか「もっと自由にやらせてほしい」などと、会社や、その運営環境に原因があると勘違いする若手が見られる。
- かつて自分が若いころは、当たり前に出来ていたことの多くが、最近の若手には、出来なくなっていると感じることがある。
学校教育や、社会の変化に伴い、「こんなことは学校や家庭で指導しておいてくれよ」と、いうような事柄まで、入社後に企業が教育せざるを得ない場面が増えているのをよく目にします。しかし、それが実態であり、家庭や学校の悪口を言ってみても何も解決しません。つまり、若手を軸足にした効果的な人材開発というものと、一刻も早く向き合わなければ、この先、企業は存続できないでしょう。